こんにちは、ふぐまるです。
なんと半年以上ぶりにブログを再開しました。
というのも、タイトルの通り本因坊戦の大幅縮小の話を聞いて衝撃を受けまして…。
改めて自分が出来る囲碁普及をしていきたいなぁと思い、再開することにしました!
今回は、2023年4月に発表された本因坊戦の縮小について書いていきます。
そもそも本因坊戦って何?
本因坊戦とは、囲碁の7大棋戦(タイトル戦)のうちの1つです。
7大棋戦の中でも更に、通称3大棋戦と呼ばれる棋戦があり、
棋聖戦、名人戦と並び、本因坊戦も3大棋戦のうちの1つでした。
本因坊戦は1939年に創設された、最も古く歴史のある棋戦です。
7大棋戦の中でも賞金が3番目に高く、棋戦の序列は3位でした。
本因坊戦縮小前の7大棋戦のイメージはこんな感じです。(2023年5月時点)
名称 | 棋聖 | 名人 | 本因坊 | 王座 | 天元 | 碁聖 | 十段 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
優勝賞金 (万円) | 4,300 | 3,000 | 2,800 | 1,400 | 1,200 | 800 | 700 |
挑戦手合 | 七番勝負 | 七番勝負 | 七番勝負 | 五番勝負 | 五番勝負 | 五番勝負 | 五番勝負 |
挑戦権 決定方式 | リーグ | リーグ | リーグ | トーナメント | トーナメント | トーナメント | トーナメント |
持ち時間 | 8時間 (2日制) | 8時間 (2日制) | 8時間 (2日制) | 3時間 (1日制) | 3時間 (1日制) | 4時間 (1日制) | 3時間 (1日制) |
棋戦序列 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 |
簡単に補足すると、
七番勝負というのは7回対局(試合)をして先に4勝した方が優勝、
五番勝負というのは5回対局(試合)をして先に3勝した方が優勝です。
2日制というのは1回の対局を2日間かけて打つことで、
1日制というのは1回の対局を1日で打つことです。
縮小により何が変わった?
2023年に予定されている78期の本因坊戦は、上記の表の通り実施されます。
2024年、79期以降の本因坊戦が縮小されます。
主な変更点は以下の通りです。
- 優勝賞金が2,800万円から850万円へ変更
- 挑戦手合が七番勝負から五番勝負へ変更
- 挑戦権争いがリーグ戦からトーナメント戦へ変更
- 持ち時間が短縮され、2日制から1日制へ変更
先ほどの表を本因坊戦縮小後のイメージに変更してみます。
名称 | 棋聖 | 名人 | 王座 | 天元 | 本因坊 | 碁聖 | 十段 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
優勝賞金 (万円) | 4,300 | 3,000 | 1,400 | 1,200 | 850 | 800 | 700 |
挑戦手合 | 七番勝負 | 七番勝負 | 五番勝負 | 五番勝負 | 五番勝負 | 五番勝負 | 五番勝負 |
挑戦権 決定方式 | リーグ | リーグ | トーナメント | トーナメント | トーナメント | トーナメント | トーナメント |
持ち時間 | 8時間 (2日制) | 8時間 (2日制) | 3時間 (1日制) | 3時間 (1日制) | 3時間 (1日制) | 4時間 (1日制) | 3時間 (1日制) |
棋戦序列 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 |
変更点について、1つずつ詳しく紹介していきます。
優勝賞金が2,800万円から850万円へ変更
こちらは文字通り、タイトルを獲得した際の優勝賞金が減額されるというものになります。
約2,000万円の減額…。
平社員の自分からしたら、そもそも何年分の年収かという金額です。
ただ、タイトル戦にかかるお金は優勝賞金だけではなく、
挑戦者を決めるための対局料や、
タイトル戦にかかわる会場、宿泊施設、人件費等もあるため、
1回のタイトル戦を実施するためにはものすごい費用が掛かっていると思います。
そう考えると、むしろ今までこの本因坊戦が続いてきたことが
すごいことなんだなと改めて感じます…。
挑戦手合が七番勝負から五番勝負へ変更
タイトル戦は、勝者がタイトルホルダーとなり、翌年のタイトル戦では
タイトルホルダーに対して挑戦者が挑むという形式になります。
その挑戦手合いが、
七番勝負 から五番勝負へ変更となり、2局分対局数が減ることになります。
タイトル戦は数週間おきに1局ずつ行われ、1回のシリーズ内では毎回対局地が異なります。
普段なかなかプロ棋士に会えない地方の方にとっては、
トッププロに会える貴重な機会になるのですが、
残念ながらそのチャンスが減ってしまう可能性があります。
挑戦権争いがリーグ戦からトーナメント戦へ変更
タイトルホルダーへの挑戦権争いのため、約400名のプロ棋士がしのぎを削ります。
今回の変更で、
予選を勝ち上がった上位8名による総当たりのリーグ戦だったところが、
予選を勝ち上がった上位16名によるトーナメント戦に変更になります。
リーグとトーナメントの大きな違いは、
リーグ戦は8名での総当たりとなるので、勝っても負けても7局対局が出来ます。
一方、トーナメントは負けたら終わりなので、
トーナメントに残っても1回で敗退してしまう可能性があります。
3大棋戦のリーグは「夢の舞台」や「黄金の椅子」と呼ばれています。
その大きな舞台が1つ失われてしまうというのは、
囲碁ファンにとってもさみしいことだなぁと思います。。
持ち時間が短縮され、2日制から1日制へ変更
1人あたりの持ち時間が8時間だったところが3時間となり、
2日制から1日制へ変更となります。
1人あたりの持ち時間が8時間ということは、
1回の対局で8時間考えていいよ!ということです。
この時間が自分と相手の2人分あるため、
8時間 × 2人 = 16時間 が1局あたりの時間となります。
ちなみに、持ち時間を使い切ると1手あたり何秒以内に打ってね、
というモードになるため、熱戦になると1局の時間が16時間を超えます。
16時間を1日で打ちきろうと思ったら、食事や睡眠もまともに出来ないので
2日に分けて1局の碁を打つことになります。
2日制の醍醐味は、何といっても封じ手です。
1日目が終わる頃に、手番の人が「明日はここに打ちます」という手を
紙に書いて、対局相手には見えないように立会(たちあい)の棋士に手渡します。
1日制になると、1日で対局が終了となるため、封じ手も無くなります。
囲碁はタイトル戦がYouTubeで生中継されていて
誰でもタイトル戦の局面が見られるため、
「封じ手はどこだろう?」と考える楽しみもありましたが
それも無くなってしまい、少し寂しくなります。。
縮小に対する個人的な思い
今回の本因坊戦縮小について、率直に言うととても寂しい思いです。
自分は小学生の頃に囲碁を始めて、今も囲碁が大好きです。
囲碁のおかげで友達も出来たり、わくわくやドキドキが味わえたり、
自分の人生は豊かになったと思っています。
なので囲碁に対して恩返しがしたいというか…
囲碁界が少しでも盛り上がるように、自分が出来る普及をしていけたらと思っています。
スポンサーの毎日新聞社さんも今回の縮小について「苦渋の決断」と表現されていたため
決して本意ではなく、続けられるものなら続けたいと思われているはずです。
今後もっと囲碁が盛り上がって、いつか本因坊戦の2日制七番勝負復活!
とならないかなぁと夢見ています。
そのために自分が出来ることをやりたいな、ということで
まずは第一歩としてブログを再開してみました。
最後に
本因坊戦の縮小は寂しいですが、いつか復活を願っています!
ちなみに本因坊戦第78期の七番勝負は2023/5に開幕しているので、
大切に味わって(?)見ていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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