こんにちは、ふぐまるです。
今日の記事では、囲碁のリーグ入りってどれくらいすごいことなのかを解説していきます!
囲碁プロ棋士の「リーグ入り」とは
タイトルにもある通り、ヒカルの碁で塔矢アキラが中学生で本因坊リーグ入りを果たし、
話題になったシーンがあります。
この「リーグ」とは、予選を勝ち抜いたメンバーで
タイトルホルダーへの挑戦者を決定するために行う総当たりのリーグ戦のことです。
最も良い成績を収めた人がタイトルホルダーへの挑戦者になります。
つまり、
「タイトルホルダーへの挑戦者は誰か!」
を決めるための戦いの舞台となります。
七大棋戦のうち、リーグ形式採用は2つ
2023/09時点の日本ではリーグ形式を採用しているのは
・名人戦
・棋聖戦
の2つです。
棋聖戦は独自の形式となっていて棋力毎にリーグが分かれており、
本記事で紹介する本因坊リーグとは異なります。
本因坊戦は、縮小により第79期(2023年に予選開始)からトーナメント形式へ変更となっています。
本因坊戦の縮小について詳細は以下記事を参照ください。
第78期 本因坊戦のリーグ入りまでの道筋を解説
今回の記事では、第78期(2023年に挑戦手合を実施)の本因坊リーグの事例で解説します。
縮小前の最後のリーグですね。
解説と言いつつ、文字では伝わりにくそうだったので図にしてみました。
一言で言うと、340名から勝ち上がった4名のみがリーグ入りすることが出来ます。
なんという狭き門…。
それでは、もう少し具体的な説明を記載していきます。
- 本因坊戦は8名リーグ。
前期リーグの上位4名は残留。残る4つの枠をかけて争う。 - 一番下は予選Cから始まる。
Cを勝ち上がると予選B、Bを勝ち上がるとA、と進む。
勝てば勝つほど相手も強くなっていくシステム。 - 予選Aを勝ち抜いたメンバーで最終予選トーナメントを実施。
そのトーナメントを勝ち抜くとリーグ入り! - 予選Cから最終予選が終わるまでは1年以上かかる。
- 第78期の対局数の実績は以下の通り。
予選C :3局(組合せ次第では少ない場合もアリ)
予選B :1局
予選A :2局
最終予選:3局
予選Cから勝ち上がってリーグ入りする場合、9連勝する必要がある。
ちなみにヒカルの碁では予選が「一次予選」「二次予選」等の名称で、
現実でも同じ名称が使用されていましたが、第60期から予選A・B・Cに変更されています。
塔矢アキラはどれくらいすごいのか
リーグ入りが出来るのは全棋士の中のたった4人です。
そもそもリーグ入り出来るだけでもすごいことなのですが、
塔矢アキラは入段2年目にして、中学生でリーグ入りを果たしています。
予選Cから最終予選が終わるまで1年以上かかるため、
入段2年目でリーグ入りということは、
入段した年の予選Cから1度も負けずに勝ち上がったことになります。
さらに、勝てば勝つほど相手が強くなるため、
過去のリーグ在籍者やタイトルホルダー等の強豪とも当たる可能性があります。
実際、塔矢アキラがリーグ入りをかけた最終局では、
過去にリーグ入りしていた実績のある相手と対局して勝っています。
入段したてで、まだプロとしての経験や実績が無い中でこのような結果を出せるのは、
奇跡に近い出来事だと思います。
会社員で例えるなら、新卒で入社して
普通の人であれば1年2年かけてやっと仕事に慣れてきたぞ、という頃に
既に部長級まで昇格しているようなイメージでしょうか…。
とんでもないスピード出世です。
しかし、リーグは成績が良ければ次期も残留出来ますが、
成績が悪ければ陥落してしまい、また予選から勝ち上がる必要があります。
塔矢アキラはリーグ入りしたものの、1度で陥落しています。
このことから、塔矢アキラは並の棋士では敵わないものの、
トップ棋士と同等に渡り合うにはまだ少し及ばないくらいの強さ、と言えます。
とはいえ、デビューしたてでリーグ入りを果たすほどの棋力があるため、
きっとまたすぐにリーグや挑戦者争いの場で活躍することでしょう。
最後に
今回の記事では、囲碁の本因坊戦の実績をもとに、リーグ入りまでの道筋を解説しました。
子供の頃にヒカルの碁を読んでいた時は
リーグ入りがどれくらいすごいことなのか分かっていませんでしたが、
囲碁を続けてきてプロの棋戦に興味を持つようになってから、
改めてそのすごさに驚きました…!
自分が知る限り、入段2年目の中学生でリーグ入りは聞いたことが無いので、
今後そのような天才棋士が現れるか、楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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